日伊声楽コンコルソとは
次世代の日本オペラ界を担う人材発掘を目指して行なわれる、国内有数の声楽コンクールです。 1964年、日伊音楽協会の設立とともに第1回が開催され、第5回以降、読売新聞社が主催に加わりました。
イタリアのオペラ・アリア並びに歌曲のみで競われ、他の大多数のコンクールが日本歌曲も含めた複数の原語による課題曲を設定しているのに対し、あくまでイタリア・オペラに特化した極めて珍しいコンクールです。
歴代優勝者からは、イタリア・オペラのスペシャリストを多く輩出してきました。
第1回特賞の松本美和子にはじまるコンコルソ入賞者は、林康子(第5回)、出口正子(第10回)、故・山路芳久(第12回)、市原多朗(第15回)ら錚々たる顔ぶれで、このコンコルソからミラノ・スカラ座、ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場、英国国立歌劇場(コヴェントガーデン)、パリ・オペラ座、ウィーン国立歌劇場など、世界的に著名な歌劇場へと日本人オペラ歌手が巣立って行きました。 近年では、ソプラノの砂川涼子(第34回)、木下美穂子(第37回)、テノールの中島康晴(第36回)、村上敏明(第40回)、バリトンの谷友博(第35回)、須藤慎吾(第42回)らが、オペラ界でその活躍の場を拡げつつあります。
コンクールは1次予選(東京および大阪)、2次予選、本選まですべて公開で行なわれ、日本楽壇を代表する演奏家らによって、厳正に審査されます。 優勝者には賞金100万円、YKK音楽賞賞金50万円などが贈られます。
なお、1~3位入賞者による披露演奏会(特別コンサート)を実施し、将来性豊かな入賞者の歌声を、声楽ファンの皆様に存分にお聴きいただく機会も設けています。